つくし報

【つくし荘出展作家インタビュー】林 淳一朗(第2部、Komore)

カテゴリー:つくしチームからのお知らせ2017.09.22

9月13日(火)よりはじまりました「つくし荘 作家選抜展」。今年も46人の魅力溢れる作家が2週にわたって名古屋に集結します。
今回は広報より出展作家46名をインタビュー形式でご紹介します。
つくし荘を観る前に、観た後に、ぜひお読みいただき、もっともっと作家のファンになっていただければ嬉しいです。

 

林 淳一朗(第2部、納屋橋Komore会場)
Profile:
写真にて具象と抽象を扱う。写真をある対象から作成された像と考え、具象から抽象を生成-構築する作品を展開。湾岸の都市像と海面に映る都市像で構築する《theōria》。作品の内に複数の要素がある。
1990年、名古屋生まれ。2014年に名古屋芸術大学美術学科版画コースを卒業。同大学の修了制作にて写真作品を提出。一年の空白を経て作家を志す。2015年に上京。同年、フォトギャラリー「プシュケ」主催の「VECTOR」no4 に参加。《theōria》を発表。2017年に東京ビジュアルアーツ写真学科ドキュメンタリーコースを卒業。以後、東京を拠点に活動する。
Web:https://www.facebook.com/jyunichirou.hayashi.1

 

林淳一朗_1

 

Q:
作家活動をはじめたきっかけを教えてください。
A:
大学を卒業してから制作活動を再開し、続けています。
卒業後、漠然と働いていたとき、その生活にどこか落ち着かなくて、元気が出ませんでした。作品を制作する自分は自分にとって大切なことだったのかなと気づき、本腰をいれて作品制作をはじめました。

Q:
絵を描く、立体物をつくるなどいろいろな表現がある中、林さんが写真を選んだ理由はどういったものでしょうか?
A:
写真を選んだことは偶然だったと思います。大学では絵や立体を専攻するコースにいたことがありますがどれも続かず。たまたま写真が続いただけだと思ってます。
僕には動機が乏しいので自分でも何で写真に魅力を感じるのかとふと悩むときがあります。また、写真論の本を読んだりして、写真の媒体について勉強したり考えることはあるのですが、それは考える面白さで違う。たぶん生理的に写真に感じていることが本質だと思います。撮ること、現像すること、写真の中にある行程にはどれも没頭します。やるととても集中して楽しいのです。それが選ぶ理由なのではないかと最近は考えています。

Q:
実際に眼に映るものから抽象的なイメージを切り取ることをとても興味深く感じていました。どういった経緯で《theōria》シリーズに行き着いたのですか?
A:
作品に行き着いたのは偶然だと思います。20歳頃に名古屋都心部の堀川沿いを歩いていたとき、たまたま「水面に映る街の像」を撮影したことから、モチーフに出会います。当初は水面しか撮っていませんでした。馴染みのある街の風景が歪んでみえることに自分の感情が動き、強い関心を持ったのです。
それから、撮影を続けたのですが、続ければ続ける程、何か写真に対して違和感を感じ、その違和感と折り合いがつかず制作意欲をなくし、撮影を止めます。
けれども、修了作品を機会にもう一度このモチーフと向き合いたいと考え、制作を再開して現在に至ります。

Q:
私自身は林さんの作品を最初に観たとき、ビルと水面のそれぞれの美しさが対でわかって面白い、と感じたのを覚えています。今までのお客さんの反応で、面白かった・嬉しかったなど印象的なことがあったら教えてください。
A:
作品を見せたことでその人との関係が変わるときがあり、それは印象に残りました。作品を見せたら急に友好的になった人がいたんです。
作品からみる印象がそれをつくる人物とは必ずしもイコールではないと考えてはいます。けれど、僕もある方の作品に感動してきっと作者はすごい方なのだろうと思い、会って直接お話ししたいと駆り立てられたことがありますし、作品が他人に与える力には不思議で、興味深いものがあるなと思っています。
作品を見せたことで信用を得たり、仕事をいただいたり、興味を持っていただき、仲が深まったりすることもありました。

Q:
作品を制作する・展示などをするなかで、自分と向き合ったり、見てくださるみなさんとの交流があったり、様々な要素があると思います。制作活動のどんな部分に継続する魅力を感じていますか。
A:
見てくださる皆様との交流は大きいです。よいリアクションをいただくと元気になります。
他に制作している自分を理解してくれる友人や周りの存在はとても大きな支えです。

Q:
次の展示も決まってみえて、とても楽しみです。今後の目標や、作家としてチャレンジしてみたいことがありましたら教えてください。
A:
次の展示では「壁」を被写体にした作品を発表します。是非よろしくお願いします。
今後の目標は《theōria》を発展させたいと考えています。また、新しい被写体を作品にすることにもチャレンジしたいです。最近、制作をしていると異なる作品同士が繋がっていると考えるときや、異なる作品で行っているアプローチが他方の作品に有効であったりする場合があり、作家としてもっと精進し、これも追求していきたいです。

林淳一朗_2

 

洗練されたビルとそれを映す水面のゆらぎを抽象・具象のかたちとして表現した林さん。かたちが見事に作品になるまでに林さんが悩み、考え、感じたことをお伺いできたインタビューとなりました。
そして堀川沿いのギャラリー・納屋橋Komoreに戻ってきた《theōria》シリーズ。揺れる水面は、心のやさしい部分もくすぐります。みなさんの心にはどのように届きましたでしょうか。ぜひ、教えてください。

 

インタビュアー:TSUKUSHI TEAM 大澤

PAGE TOP