つくし報

【つくし荘出展作家インタビュー】とのいけ茜(第1部、A-1)

カテゴリー:つくしチームからのお知らせ2017.09.10

9月13日(火)よりはじまる「つくし荘 作家選抜展」。今年も46人の魅力溢れる作家が2週にわたって名古屋に集結します。
今回は広報より出展作家46名をインタビュー形式でご紹介します。
つくし荘を観る前に、観た後に、ぜひお読みいただき、もっともっと作家のファンになっていただければ嬉しいです。

 

とのいけ茜(第1部、アートスペースエーワン会場)
Profile:埼玉県出身。
イラストレーション青山塾を卒業後、フリーランスイラストレーターへ。
「建物・ビル」をメインのモチーフとしてアクリル画を制作し活動しております。
毎日のように通り過ぎる何の変哲もない建物。
仕事に励む人、家事に追われる人、疲れている人、暇そうにする人、遊ぶ人、
さまざまな生活がその中に詰まっています。
そんな人々が「そこにいる」ことを、感じられる作品を描くことを目標としています。
Web:http://akanesyoukei.jp/

 

とのいけ茜

 

Q:
作家活動をはじめたきっかけは?
A:
今の方向性に辿り着き、表に発信したいと思うに至ったきっかけは1冊の本です。
なんとなく手にした「いいビルの写真集 WEST」(BMC著)という書籍を見て「建物」に興味が湧き、創作を始めました。

Q:
お答えに出てきた本をすこし拝見しました。なるほど、とのいけさんの作品を観たときに感じたものと近い空気を感じました。あたたかい味わい懐かしい壁の質感とか、あたたかい灯りとか。
いろいろな建物や風景がありますが、特に描きたくなるモチーフはどんなものなのでしょうか?
A:
本に目を通してくださったようで、嬉しいです。
私は主に昭和や平成初期に建てられた建物が好きで絵を描いていますが、やはり目に留めてくださる方は若い人よりも30~40代の方が多いように思います。でも最近は、10代や20代でもビル好きというコアな方達も多いようですね。(笑)

描きたくなるモチーフについて、対象を見て「懐かしい」「寂しい」といったような、ちょっと胸を締め付けられるような気分になった時に、それを描きたいと感じます。
最近の作品である「第7藤島マンション」(上の作品)を例に挙げますと、凹凸の少ない古いモルタルの壁や、錆や汚れの奥にある鮮やかな色の玄関扉に、何十年と様々な人たちが生活して来た歴史や哀愁を感じ、創作意欲を掻き立てられました。

Q:
制作する時にデッサンや着彩など、どんな点に気をつけながら制作されていますか?
実在するビルや風景を描かれることが多いかと思いますが、作品の中にフィクションや遊びは加えますか?
(もし加えるのであれば、どのあたりで遊びを出すのか伺いたいです)
A:
絵の構図や着彩に関しては、あまり深く考えずに描くようにしています。考え過ぎるとその絵を描くことに対する熱が冷めてしまうことと、最初の勢いや流れで描いた方が、上手くいくことの方が多いためです。
基本的に実在する風景にはあまりフィクションは加えませんが、実際にその景色には全く無い色をその時の気分によって使うことで遊びを入れることはあります。

Q:
お客さまの反応で嬉しかったり、面白かったりなど、心に残っているものがありましたら教えてください。
A:
「この建物に入ってみたい」、「光の表現がロマンチック」という言葉を聞いた時は嬉しかったです。
以前に参加したイベントでのことですが、私は基本的に作品は売らないのですが、何度も私のブースに足を運んでくださった方がいて「諦められないので売ってくれませんか」と言われた時はとても感動しました。

Q:
今後、どのように活動していきたい、こうなりたい!といった夢、目標などありましたら教えてください。
A:
今までの作品は全て実際に存在する風景を扱っていましたが、今後の活動では、建物も景色も自分の世界観で作り上げた作品を増やしていくことを目標としています。今回出展した作品の中にも、そのような作品があります。
実在する風景を描くことも好きですが、フィクションの景色をまるで実在する場所かのように、見ている人に懐かしさや感動を与えられる作品を作ることが、今のところの目標です。

 

とのいけさんの作品を拝見したとき、絵画でありながら写真のようにリアルな気持ちを呼び起こされたように感じたのですが、それはきっと建造物から、思い出となった過去の「ちょっと胸を締め付けられる部分」を丁寧に拾い上げ、気持ちをこめて描かれているからなのだろうなと思いました。
描かれたモチーフから滲み出る古風な味わい、私たちそれぞれの思い出をくすぐるようなぬくもりを、ぜひみなさんにも感じ取っていただきたいなと思います。

 

インタビュアー:TSUKUSHI TEAM 大澤

PAGE TOP